体がデカいってのは十分個性だと思う。活かすかどうかは自分次第だなと思った話。

こんにちは、のだめです。家電量販店のデジカメコーナーで通路を歩く人を撮影してテレビモニタに表示させる…といったような状況に先ほど遭遇しました。何の意識もしていなかったのでテレビモニタに映った自分の姿を見て「うわ、なんかデカイやつがいる」そう思いました。こんな感じに自分の姿を意識していない状況で第三者的な視点で見る機会というのは、なかなかないのかもしれません。この自分の姿を第三者的な目線で見たときにふと思ったことがありました。「俺ってデカいやつだな」と。そして、以前働いていたときに上司と話していた時のことを思い出したのでした。

自分の仕事はファンを作ること

以前働いていた職場のひとつにパチンコ店の仕事をしていた時の話。来店するお客さんは年配のお客さんが多く来店するお店でした。まだ現場メインで走り回っていた時のころ、上司からはよく「お前たちの仕事は、自分たちのファンを作ること」そう言われていました。玉が出る出ないはお客さん次第だし、その設定は上司たちの仕事。社員の仕事は来店したお客さんが「また来たいな」と思ってもらえるようにお客さんと接するように言われていました。私自身あまり話術が得意ではなく、むしろどちらかというと苦手なほうでした。出来れば自分からは話しかけたくない、そんなオーラすら出ていたかもしれません。ですから、お客さんへの基本的な接客はするものの笑顔もなく無表情に近い表情で接客をしていた時期がありました。

他人から見えている自分の姿を知る

そんな折上司に個室に呼ばれ接客について説教がはじまったのです。「あぁ、またいつものお説教タイムか」そんなことを考えながら説教を聞いていたのですが、上司からあるものを見せられてハッとしたのでした。「なぁのだめ、お前、自分の姿を意識してみたことあるか?」

そう言いながら店内を録画している防犯カメラを巻き戻して私が店内を歩いている録画を見せてくれました。

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モニターに映った自分の姿を見て思わず「うわ、デカいやつだな」と言っていました。すると上司は「そうだ、お前はデカい」と言います。続けて「そんなクマのようなやつが無表情で自分の方に近づいてきたらどうする?」と言われ「え…怖いです」、「だよな」と上司。

「お店にいるお客さんの殆どが年配のお客さんだ。そのお客さんは見上げないとお前と話せないし、何も言わなければお前はただクマのようにデカいやつなんだよ」と言います。

「だがその体系は持ちたくても皆が持てるわけじゃない。もっと活かせよ」そう言われました。

防犯カメラに録画された自分の姿を見て初めて自分が周りのお客さんと比べてデカかったことを自覚したのでした。そんなのが無表情でズカズカと近づいてきたらそりゃお客さんもびっくりするだろうな。自分を第三者の目線で見てはじめて自分がデカいやつだと認識できたのでした。

少しずつ仕事が楽しくなる

自分と話すお客さんが萎縮しないように始めたのがお客さんの目線に合わせて話をすることでした。いろいろな姿勢を試しましたが一番目線が同じになったのは膝をついて話す姿勢でした。一般的な接客は勿論立って行いましたが、お客さん個人と話す場合には膝をついて目線を合わせて話をすると、それまで怖がっていたお客さんのほうから話しかけてくれるようになりました。いつもいつも膝をついて話していたので誰よりもスラックスが破れるのが早かったですが、あるとき思わず泣きそうになることが起きました。

いつの間にかできていたファン

休日明け出勤してきた私を上司が呼び止めます。開口一番「やったな」と上司。何をやったのかいまひとつ理解できなかった私ですが、上司が続けます。

「昨日のだめ休みだっただろ。たまたま現場を見に行ったときに馴染みのお客さんに言われたんだよ。『のだめはどこだ』って」そして

「てっきりお前が何かしでかしたのかと思ったんだけど、どうやらそのお客さんはのだめと話をしたくてお店に来たらしいことが分かってさ」と言われました。

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以前上司から『自分のファンを作れ』そう言われていましたが、自分のファンを作るために何をしたら良いのか分からずにいましたが、いつの間にか自分に会いに来てくれるファンが出来ていたのでした。上司からそのお客さんのことを聞いて、思わず涙が出ていました。

「話し方なんかの話術やセールトークなんかは学んでいけばそのうち誰でもそれなりにできるようになるが、体はデカくなれない。その体はお前にとって大きな武器なんだよ」そう教えてくれました。

個性って

社会に出て働いてスキルを身につけたり資格を取ることで自分磨きは出来ます。そうして自分の価値を高める方も大勢いますし、それが一般的かもしれません。でも体がデカいことは変えようのない個性だと言えると思うんです。

体が大きいことで着たい服が着れなかったり、電車の乗り降りで扉の天井に頭を打って痛い目を見たり、天井から吊るした看板に頭をぶつけてみたりと体が大きいことに対する自分が感じる弊害は色々あるのですが、他人から見たときに体が大きいことというのは他に変えることができない大きな武器だと思うのです。

雑踏の中で誰かと待ち合わせても、大抵相手は自分を見つけますし、わりと珍しい名前ということもあって、初めて会う方でもすぐに覚えてもらえたりと、体が大きいことで得をする機会が意外にも多いことに気が付きました。私自身(2mの120kg※ちょっと盛ってます)そんなにデカいとは思っていないのですが、第三者から見たら十分大きな体なんですよね。体がデカいことをメリットと感じるかデメリットと感じるかですが、得をしていると感じられるようになったことは自分にとって大きな収穫だったなぁと思い出しつつ再確認したのでした。