11年間、同じゲームをやり続けた私と、現実に引き戻してくれた私の恩師。

今週のお題「ゲームの思い出」

 

こんにちは、のだめです。

 

ゲームの思い出というお題を見て、ふと頭に浮かんできたゲームがありました。

私はファミコンとかプレステとか、そういうゲーム機のゲームをした記憶がほぼ無いのですが、大学入学と同時にパソコンを買ったこともあり、当時パソコンで流行りつつあった、MMORPGというゲームにハマってしまいました。

 

MMORPGというのは、Wikipediaによると

大規模多人数同時参加型オンラインRPGであり、複数のプレイヤーが一つの仮想世界に参加するという概念

と定義されています。

 

もともとロールプレイングゲームなどのやり込み型のゲームが性に合っていたんだと思います。

 

私がやっていたゲーム、まだ続いているのかな、と検索してみたら、まだ続いていました。

このゲームを引退してもう6、7年程経っているので、私の知っている人はもういないと思いますが。

 

2001年からサービスが始まったそのゲームは、今年で18年目です。

18年も続くゲームなんてなかなか無いですよね。

 

当時大学に入学したばかりで、勉強とスポーツと結構日常生活も充実していましたが、もともと一つのことに熱中しやすいタイプだったこともあり、たまたま大学のパソコン室でネットサーフィンしているときに見つけたMMORPGの広告をみて、

 

「なんかちょっと面白そう」

 

とそのゲームをやり始めたのでした。

 

そして、ゲームにログインしたときの、壮大な世界観にすっかりハマってしまいました。

今までやったことのあるテレビゲームとは違い、MMORPGではゲーム内にいるキャラクターの奥には自分と同じ生身の人間がいる、という不思議な感覚がとても新鮮でした。

 

ファミコンなんかのゲームだと、ゲーム内で誰かに話しかけると、お決まりの定型文しか返ってきませんが、MMORPGはゲーム内のキャラクターを動かしているのも、人間なので、話しかける人々がそれぞれ違う反応を示してくれました。

 

そこに今まで味わったことの無いような新鮮味を感じてしまったんですね。

 

そして、ゲームを楽しむと同時に、ゲームの世界(=仮想世界)で出会った人たちに魅了されて行くことになります。

 

仮想世界で知り合った人たちと少しずつゲームを進めて行くと、ゲームにログインする時間帯や、会話の内容、話し方などで、少しずつ、一緒に仮想世界を楽しむ仲間のようなものが出来上がって行きます。

 

この過程は、日常でも同じですよね。気の合う人たちと親交を深めていくのと同じです。

 

日中は学生生活を楽しみつつ、夜になるともう一つの仮想世界で気の合う仲間が待っている、という。

 

現実世界で嫌なことがあれば、仮想世界で気の合う仲間に愚痴をこぼしたり、悩みを聞いてもらったり。

 

普通のゲームでは出来ないことが、MMORPGでは可能だったことがのめり込む要素なのは間違いありません。

 

だんだんと、ゲームが楽しくてそのゲームをやる、というのから、ゲーム内の仲間と一緒に過ごすためにゲームにログインするようになって行きました。

 

社会人になると、仕事が忙しくてなかなか時間が取れなくもなるのですが、その反動からかゲームにのめり込む時間も多くなって行き、

 

生活の主体がゲームになっていく時期が数年続きました。

 

ゲームをするというよりも、仮想世界が自分の現実世界のように錯覚していた時期かも知れません。

 

仮想世界にいる間は、現実世界の嫌なことは全て忘れることが出来たので、とても居心地がよかったのです。

 

なんとなくですが、自分でもこれはゲームだ、こんなこといつまでも続くわけがない

 

という気持ちは少なからずあったと思うのですが、あまりの居心地の良さから仮想世界が自分の生活そのものになっていました。

 

社会人5年目くらいの頃だったと思うのですが、それなりに会社の中でも役職を与えられるポストに就くようになったころに、当時の上司から言われました。

 

「お前には感情がない。お前の欠点は人に関心がないことだ」

 

当時の私の上司は年が近いこともあり、仕事外でもよく遊んでいたので、私がオンラインゲームにハマっていることは知っていました。

 

当時はゲームに熱中するあまり、現実世界はおまけのようなものみたいになっていたのかもしれません。仕事中はあまり気が乗らず、

 

「早く仕事終わらんかな〜 早くゲームに戻らないとなぁ」と思っていました。

 

私にとって、幸か不幸か、その上司は、松岡修造のような熱血の塊のような人でした。

 

「お前の欠点を俺が叩き直してやる!」

 

と、その上司からのスパルタが始まりました。

 

当時は、なんで自分の大切な時間を奪うのだろうと、その上司のことが嫌いで仕方がなかったのですが、怒らせるともう手がつけられないほど激情型の上司だったので断ることは出来ませんでした。

 

少しずつ少しずつゲームをする時間が削られていき、色々な仕事を無茶振りされていきました。

 

仕事でクタクタになり、もう寝るだけ、という時期が半年ほど続くと、そんなにゲームがしたいとは思わなくなっていました。

 

今、同じようなことを部下にしたら(部下はいませんが・・・)パワハラだなんだと問題になりそうなことをされていました 笑

 

とても荒療治だったのですが、私を現実世界に引き戻すにはちょうどいい作戦だったと自分でも振り返ってもそう思います。

 

それからは、極端にゲームをする時間は減り、週末にちょっとだけやる程度にまで落ち着きました。

 

それから、さらに年月が経ち、現場の責任者、会社の管理職と責任のある役職に就くに連れてゲームをする頻度が減り、最後は完全に断つことができました。

 

上司からは

 

「まだそのポスト(役職)なのかよ。お前の欠点は人に関心がないことだ、と昔言ったけど、そこさえ無ければもっと早く上に立てたのにな。遠回りしたな」

 

と笑って言われました。

 

一つのことに熱中するあまり、現実の世界から逃げていたんだと思います。

 

仮想世界で過ごしている時間はとても居心地の良い時間でしたが、現実に引き戻してくれた上司には感謝してもしきれません。

 

あのまま、仮想世界に入り浸っていたら、人間としても腐り切っていたかもしれません。

 

その上司が退社することになって、別れの言葉を述べるときに

 

「私はあなたのことがずっと嫌いでした。なんでこんなに自分のことをいじめるのだろうと嫌で嫌で仕方がありませんでした。

 

だけど、今の生活、自分の生活を振り返ってみると、あなたがいなかったら私は、変わらないままでした。

 

引き戻してくれてありがとうございました」

 

と、心の底から上司に感謝の言葉を伝えました。

 

仕事をするにあたっての、自分の軸を作ってくれたのは間違いなくその上司で、ゲームに向き合う姿勢のようなものを作ってくれたのも、その上司のおかげです。

 

今、私と上司は別々の場所で全く関係のない仕事をしていますが、それでも親交が続いています。これも上司のおかげですね。

 

人生であれほど嫌った人物なのに、今では一番の理解者になっている

 

そういう人と巡り会えたというのは、とても貴重なことだと思います。

 

ゲーム自体は嫌いではないので今でもたまにスマホゲームをやったりしますが、最近流行りのカードゲームなんかは全く興味がないため、もっぱらパズルゲームばっかりです。

 

どれだけカードが豪華でも、有名な声優さんがやっていても、そのカードの奥に私を動かしてくれる人は見えないので。

 

もしまたゲームにハマることがあるとしたら、MMORPGのようなゲームになると思います。

 

今の自分には、軸ができている(と思っている)ので、適度にゲームが出来るのではないかなぁとは思いますが、今のところ、心を動かされるようなゲームには出会えていません。

 

そんな、昔ハマったゲームの懐かしいことを思い出させてくれた、今回のお題でした。