Apple Watchのペアリング解除の際に交通系ICのデータが消える!?
先週から続いたApple Watch4(以下Apple Watchと略)のバッテリーが異常消耗する件はAppleCare+のサポートを受けることで新品と交換できました。新品のApple Watchが届きiPhoneとの連携をしたのですが、設定完了後にApple Watchの確認をしていると、交通系ICデータが無いことに気がつきました。まさか、データが消えた?背筋に嫌な汗が流れました。
結論から先に申し上げるとバックアップを行ったデータから復元することで交通系ICデータも復旧できました。Apple Watchが使えなくなる直前にチャージをしており、1万5千円近く残高がある状態だったため、データが消えてしまうとかなりの痛手でした。普段使いしている上ではApple Watchのペアリングを解除する機会はないとは思いますが、同じ状況になって焦ることがないようにまとめておきたいと思います。
バックアップされるデータ・されないデータ
Apple WatchとiPhoneとのペアリングを解除する際には、特別な操作をすることなく自動的にiPhone内にバックアップが保存されます。バックアップされるデータを下記にまとめます。
バックアップされるデータ
- アプリ固有のデータ(内蔵アプリ)や設定(内蔵アプリと他社製アプリ)(マップ、距離、単位、メール、カレンダー、株価、天気などの設定)
- ホーム画面のアプリのレイアウト
- 文字盤の設定(カスタマイズの内容や並び順など)
- Dockの設定(利用できるアプリなど)
- システム設定(文字盤、明るさ、サウンド、触覚など)
- ヘルスケアやフィットネスデータ、ワークアウトデータ
- 通知設定
- Apple Watchに同期しているプレイリスト、ミュージックアプリの設定
- Siriの設定
- 写真アルバム
- 時間帯
バックアップされないデータ
逆にバックアップされずにペアリングの解除とともにデータが消えてしまうものをまとめてみました。
- Bluetoothのペアリング情報
- Apple WatchのApple Payで使っていたクレジットカードまたはデビットカード
- Apple Watchのパスコード
- メッセージ(iCloudで保管していた場合はiCloud上にデータは残る)
以上がバックアップされるデータとされないデータとなります。
交通系ICデータはバックアップされるのか?
上の項にてバックアップされるデータとされないデータをそれぞれリストを作りましたが、「交通系IC」はそのどちらにも記載はありません。しかしペアリングの解除を実行した際にApple Payのところで警告が出ていたのを思い出し(このときはデータが消える?とは思ってはいなかったので写真を撮りませんでした)、ペアリング解除を行う際にはデータをiPhoneに設定を戻す必要があるのかな?と思いました。
この点について確認を取ると、
パスコードを削除したり、iCloudからサインアウトしたりすると、そのApple Watchからクレジットカード、プリペイドカード、Suicaがすべて削除されます。Suicaはデバイスから削除しても残高が保存され、同じデバイスまたは別のApple Pay対応デバイス上で同じApple IDを使ってiCloudにサインインすれば、Apple Payに追加し直すことができます(その際に残高も回復します)。(アップルサポート/Apple PayにSuicaを追加する/カードを追加したらより一部引用)
のように記載がありました。
サポートの文言から推測すると、Apple Watchのペアリングを解除してパスコードが削除された時点で、iCloud上にデータが移行した可能性が高いです。新しいApple Watchで再設定を行った際にパスコードの再設定と合わせてSuicaの情報が再設定されたということかもしれません。この点についてはあくまで推測になってしまうのですが、Apple Watchのペアリングの際にバックアップを使わずに新規で設定した場合にはSuicaの情報はありませんでした。
iPhoneのWalletやApple Payの欄にSuicaの情報が全くなく、「存在しません」と表示があったことから、iCloud上には「Suica」の情報は移行していないのではないかと思います。
はっきりとした説明がアップルサポートでも表記がなかったので、確実性はないのですが、既存のApple Watchのバックアップを取った際に、Suicaの情報もバックアップデータの一部として保存された、と考えるのが一番しっくりきます。なにはともあれSuicaが元通りになって良かったです。
Suicaカードについてあらためて考えてみた
Apple Watchを利用する上で便利だと感じることのひとつにSuicaでのIC決済が可能なことがあります。SuicaをApple Watchに登録しておけば切符を買わずに電車に乗ることもできますし、コンビニなどでの支払いにIC決済を利用することも可能です。多くの方がApple Watchに交通系ICカードを登録していることと思いますが、Apple WatchとSuicaを連携させたあと、元のカードはどうすべきかを考えたことはありますでしょうか?
データの移行したSuicaのカードは捨ててOK
表題にあるようにApple WatchやiPhoneにSuicaのデータを登録した際は、元のカードはただの板と化します。カード内のデータが全てApple WatchやiPhoneに移行し、元のカードにチャージをしたりすることが出来なくなります。ですからiPhone端末等にデータを移した際にはハサミなどで裁断して捨ててしまって構いません。
データ移行は一方通行
SuicaのカードからiPhone端末等へデータの移行をすることはできますが、その逆は出来ない仕様になっています。ですからSuicaのカードが会社などで(番号が)管理されており後々返却しなければならないなどの条件がある場合にはSuicaとiPhone端末等との連携はしない方が無難だと思われます。
Apple Payへ取り込み済みのSuicaカードは利用不可となります。Suicaカードに情報を戻すこともできません。(Suica Apple Payよくある質問より)
ちなみにSuicaカードを購入の際にはカード代金500円(デジポット代)が含まれていますが、データをiPhone端末等に移行した場合には、デジポット代の500円は残高に充当されるため損をすることはありません。
カードタイプのSuicaが使いたくなった場合はどうする?
前項より、一度iPhone端末等にデータを移行するとカードに再度移行し直すことは不可能となるため、何らかの理由からカードでの利用が必要となった場合には新しくカードを発行する必要があります。
Apple Watch(iPhone等)に入れたSuicaを使わなくなった場合はどうする?
Apple WatchやiPhoneにSuicaを入れて利用するのが大変便利なので、使わなくなるということ状況はなかなか訪れないかもしれませんが、もしそのような状況になった場合には残高はどうなるのでしょうか。
Apple Watch等に登録しているSuicaの残高の払い戻しは可能です。ですがApple WatchからSuicaへのデータ移行が出来ないため、残高の払い戻しは後日振り込みという形となります。
Suicaアプリを起動して、登録しているSuicaの管理番号を確認後、アプリ内の案内に沿って振り込み銀行等の指定を行う手続きになります。振り込みは後日振り込みとなっています。
残高振り込みは手数料がかかる
ちなみにこの登録しているSuicaの残高を振り込む手続きを行うには手数料が必要になります。手数料として220円かかることも覚えておきましょう。
Suicaに関するまとめ
SuicaをiPhoneやApple Watchに登録すると様々な場面で使うシチュエーションがあるため想定以上に恩恵を感じることができます。その反面、一度データをiPhone端末等に移行させるとカードへデータの再移行が不可能となっているため、会社からSuicaが支給されており、のちに返却が必要な場合や、カードとして利用する必要がある場合などはそのまま使う必要があります。また、iPhone端末等で利用していても残高の精算が可能(後日銀行振り込み)なので、金額的な損失は全くありません。
ですから各々の生活スタイルに合わせて、Suicaの登録をすることをお勧めします。
Apple WatchとSuicaに関するまとめ
今回、Apple Watchのバッテリー不良から新品と交換した際、バックアップを利用したデータ移行の過程でSuicaのデータが消えたと勘違いする事象に遭遇したことから改めてApple Watchのバックアップについてと、Suicaカードについて考えてみたことをまとめてみました。Suicaデータを端末に登録することで得られるメリットが大きいのは間違いないと思いますので、まだ別々に利用しているというかたはこの機会にSuicaの登録を考えてみたら良いかなと思います。Suicaについても特別な設定を行わなくてもペアリング解除、そしてペアリング設定後に問題なく利用できています。アップル製品は個々を連携させることで便利さは倍々に増していきます。今後も自分の生活の中で気になったことについてはまとめて記事にしたいなと思います。ではでは。