プライベートブランドのガソリンスタンドが格安な理由

どうも、のだめです。車を運転するためにどうしても必要なものはガソリンですね。ガソリンは日によって価格が変動しますよね。またこの価格は地域によっても結構ばらつきがあります。1月から2月20日までの価格変動を見ると130円/L〜144円/Lと店舗によって結構差が出ていることがわかります。全国的なガソリン価格の推移を見てみると、このような感じになっています。

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以上のようにガソリン価格は少しずつ安くはなってきているのが分かります。2月23日時点のレギュラーの平均価格は136円ということが表から分かります。

安さにびっくり!?プライベートスタンド

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しかしこの平均価格よりも大幅に安いガソリンスタンドがあるのをご存知でしょうか?それはいわゆるプライベートスタンドと呼ばれるガソリンスタンドです。一般的にガソリンスタンドの大手といえば、ENEOSや昭和シェル、コスモ石油、出光興産といったところが挙げられると思いますが、プライベートスタンドはこのような大手に属さない独自のルートでガソリンを仕入れて販売しているガソリンスタンドになります。

自宅の近くにもプライベートスタンドがありますが、2月22日時点でのガソリン価格は驚異の110円でした。このスタンドの近くにENEOSがありますが、そこは139円だったことを考えると破格の値段でガソリンが販売されているわけです。

安すぎるけど品質は大丈夫なの?

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私もはじめて見たときはあまりの安さに、「このガソリン大丈夫なやつなの?」と思ったものです。普段から買い物をするときはなるべく安くをモットーに買い物をしているつもりですが、ガソリンがここまで安いと『なにか混ぜ物でもしてるんじゃないか』とか『ガソリンを薄めているんじゃないか』とか、そんなことを考えてしまいました。

結論から申しますと、安すぎるけど品質には問題ないです。

品質に関しての解説は後述します。まず先に気になるのは、どうしてここまで価格を抑えた販売が出来るのかですね。

プライベートスタンドが格安な理由

実際にガソリンスタンドの運営に関わっている方とお話しをする機会があり、どうしてここまで安いのかの理由を聞くことができました。

  1. 流通ルートが正規とは異なる
  2. キャッシュオンリー

大きく分けて以上の2つが主な理由です。もう少し詳しく解説すると、

1.流通ルートが正規とは異なる

正規の流通ルートとは異なるルートでガソリンを仕入れていると書くと語弊があるのですが、基本的にガソリンは元売である大手(JXTGエネルギーなど)が販売し、それを正規加盟店に卸して販売しています。これが通常のルートなわけです。しかしここに需要と供給のバランスが関わってきます。

元売り(JXTGエネルギー)での生産能力が仮に100リットル/日として、それに対するガソリンの需要が70リットル/日だった場合、差分の30リットルは元売り側で保管する必要性が出てきます。しかし、ガソリンは揮発性が高いことや保管する場所の確保など、保管にかけるコストが膨大になるリスクを伴います。そのため保管するのであれば売れるところに売ってしまおうと言うわけです。ざっくり言えばこの差分の30リットルがプライベートブランドに流れるというわけです。

またもう一つ、原油からはガソリン以外にも色々生成されます。製造メーカーなどがプロパンガス・灯油・重油・タールなどいわゆるガソリン以外の生成品の需要が高まると石油の元売りは生産量を増やす必要が出てくるわけです。そうなると、需要と供給のバランスが崩れ、ガソリンがだぶつく原因になるわけです。ガソリンを余らせると保管するコストが上昇するため更にプライベートブランドに流れるという次第です。

また、ガソリンを元売りではなく商社から購入する方法もあります。上記のようにダブついたガソリンを商社が一括して購入して、それをプライベートブランドに卸すというものです。このように商社を通じて販売されるガソリンはその商社名が書かれていることが多いです。

2.キャッシュオンリー

次にガソリンが安い理由としては『現金販売のみ』としていることが挙げられます。クレジットカードを使うと手数料をクレジット会社に支払う必要性が出てくるため、現金のみでの販売をしているというわけです。また、クレジットカードを使って販売した場合、その日の売り上げは翌月や翌々月に振り込まれるといった具合に、すぐに現金化することができません。プライベートスタンドではガソリンを仕入れるために様々なルートを使って仕入れる必要があるため、現金が手元にないと買取(ガソリンの仕入れ)が出来なくなるというリスクがあるというわけです。そのため、現金のみでの販売をしているプライベートブランドのガソリンスタンドが多いというわけです。

プライベートブランドのガソリンは品質には問題ないのか

プライベートブランドのガソリンが安い理由は分かって頂けたと思いますが、気になるのがガソリンの質です。あまりに安いので品質に何か問題があるのではないかと気になる方もいるかもしれません。しかし、前述の通り元売り(JXTGエネルギー)からのダブつき分を購入していたり、商社などから卸しているため、品質自体は元売りの正規品と変わりません。しかし、元売り数社からの仕入れや商社から仕入れた分を混ぜて販売しているため、「混ぜ物」を使っているとも言えるのかもしれませんが、そこも安心してください。ガソリンを販売するためには厳しい規格に合格する必要があるためです。

厳しい品質検査をクリアしたものだけが販売されている

ガソリンや灯油、軽油にはJIS規格があり、この規格に沿ったものでなければ国内では販売することができません。ENEOSや出光興産、昭和シェル、コスモ石油などは元売りが品質を保証しているためこの規格検査は1年に1度ですが、プライベートブランドのガソリンスタンドでは10日に1度という高頻度で検査が行われています。そのため年間で検査にかかる費用は約20万円にもなるのだとか。プライベートスタンドは中小企業が運営していることが多いため年間36回、検査費20万円というのは安くない出費と言えるでしょう。それでもこのように厳密に検査が行われているからこそ安心して給油ができるようになっているとも言えます。

価格差が生まれる仕組み

これはプライベートブランドのガソリンスタンドに限ったことではありませんが、地域によってガソリン価格にばらつきがある大きな理由として挙げられるのは、輸送コストになります。つまりガソリンスタンドの立地が大きく関わっています。

都市部など交通量も多く需要も多いところでは平均的にガソリン価格は下がる傾向にあり、逆に郊外地などでは高くなる傾向にあります。

石油精製工場のある臨海部に近いところでは安くなりやすく、逆に内陸部では価格は上昇傾向にあります。

そのため、内陸部の郊外地などでプライベートブランドのガソリンスタンドは、大手のガソリンスタンドとあまり価格が変わらない可能性が高いということです。

まとめ

今回は、プライベートブランドのガソリンスタンドについてまとめてみました。私自身も初めて見たときは値段の安さに驚きつつ、品質を疑ったりもしましたが、厳格な検査を通った品質であることと、元売りのガソリンと変わらないものを販売していることが分かり、安心して利用させてもらっています。まだ見たことがない方もいらっしゃるかもしれませんが、是非安心してプライベートブランドのガソリンスタンドを利用してみてください。のだめでした。