昭和にタイムスリップしたかのような職場環境

おはようございます、のだめです。

 

仕事場でパソコンを使う機会というのは、今の社会どこでもあると思います。事務系をはじめデザイン関係であればPhotoshopなんかで画像編集をするだろうし、飲食店でも売上計算なんかでパソコンは使うし、工場でもパソコンで情報管理や共有をしたりします。私がこれまでアルバイトを含め仕事をしてきた現場でもパソコンは当たり前にありましたし、使えて当たり前の現場でもありました。パソコンを全く必要としない仕事もあるのかもしれませんが、とりあえず自分のこれまで働いてきた現場では使う頻度の多少はあれどどの職場でもパソコンはありました。

新型ぁ?動けば良いんだよ!的な現場

以前働いていたパチンコ店にもパソコンはありました。ありましたが、パソコンは仕事をする上で必須とされてはいなかったので、賞味期限が切れたXPを使い続けていました。店舗を運営するネットワーク機器がXPを使っていたのもあるのかもしれませんが、とにかく新しいパソコンを買いたいと稟議を提出してもなんども却下される会社でした。

「新しいパソコンだぁ?それ営業に必要あるの?それ使うと売上増えるの?」

パソコンを新しくして売上が増えるなら買うよ、と言われるのですがパソコンを変えて売上が増えるならみんなそうしてると思います。別になくてもなんとかなる職場だったことと、XPがまだ普通に使えていて色々使い勝手が良かったこともあって、旧型パソコンから新しいパソコンに買い換えるのに5年かかりました。

Windows7が登場し、使い心地の良さからXPからの買い替えを提案→却下

Windows8の使い勝手の悪さから、しばらく買い換え案は下火になりますが

Windows10が登場して、再度買い替えを提案→上司を飛び越えて上司の上司を説得してようやく現場のパソコンが新しくなるという方法で買い換えることとなりました。

買い換えの稟議が通った後も上司からは「10万以内で買ってこい」と念を押されましたが、中途半端なものを買って途中で困るのは自分なので、結局15万円のパソコンを購入。上司の上司に事後報告しましたが認められました。

どちらにしろXPは消費期限が切れていたので、ネットにはつなげなくなりますが、かといってWindows10はXPとは使い勝手が異なるので壊れるまではXPを使うと上司は豪語してましたが、今でも使っているのでしょうか。

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そこよりも凄まじい現場があった

話は今に戻って、出張中に工場の視察に行く機会があったのですが、その工場で見た光景はパチンコ店の比ではありませんでした。

パソコンが主流の時代に、いまだに諸々を手書きでこなしていたのです。一応工場内の事務所には作業机にノートパソコンがいくつか置かれていたのですが、誰もパソコンは使っていません。

MacBook Airの3倍はあるんじゃないの?と思えるような分厚いノートパソコンがそこにはありました。

 

まさかのWindows98でした。

記憶の片隅にかろうじて残っているWindows98。スペックがものすごいです。

メモリ:32MB

HDD:2G

データ速度:56Kbps

 

ノートパソコンで簡単な文章すら送れません。そのためみなさん手書きの表やボードを使って処理していました。

平成最後の年にまさかこんな年代物を見れるとは思いませんでした。涙が出そうになりましたが、その涙は感動からくるものではなく、悲しさからくるものでした。

「まさかとは思いますけど、みなさんこれ使ってるんですか?」と聞くと

「いやー、ちょっと前まで使ってたんだけど、それ遅いんだよね。だからみんなが動いてやってるのよ」

「あ・・・一応使ってたんですね、これ」

臭いものには蓋を 現場と経営陣との大きな溝

見てはいけないものを見てしまったかのような気持ちになり、そのまま見なかったことにしたくなりましたが、そういう環境なので、現場からは不満が噴出していました。

経営陣と現場との温度差がものすごいことになっていました。

 

会社の体質として、臭いものには蓋を、というのがあるのはこれまでのトラブル対応から薄々とは感じていましたが、これほどとは。

 

経営陣がどれだけ会社を変えようとしても、まずこの現場の環境を変えていかないと何も変わらないと思いました。現場ではこれまで何度も職場の改善要求をしてきたけれど、現場担当になった管理職は、見て見なかったことにし続けてきた。そして、歴任の管理者たちは、職場の改善ではなく、経費を極限まで切り詰めることを仕事として、必要な設備にお金をかけないで人を切る方を選択し続けていたようです。現場はどれだけ声をあげても上に届かないのなら勝手にやらせてもらいますという雰囲気がひしひしと伝わってきました。

何十年も会社に貢献してきた現場の人たちからすれば、ぽっと入ったよくわからない奴が役員になって現場を見にきただけ、どうせお前もこれまでのやつと一緒だろう、多分そう思われているのだと思います。ひと通り挨拶回りをしましたが、みなさんうわべだけの挨拶で目は座っていました。そこにはなんの期待もない、形式的な挨拶の儀式だけがありました。

「どうせお前も一緒なんだろ」言葉には出しませんがひしひしと伝わってくる不信感。

だけど、現場が正常に稼働しないと売上が立たないのも事実なので、正直これはまずいことになっていると思ったのです。どうして歴任の管理者たちはここに手をつけてこなかったのか。一番の拠点にもかかわらず誰も手をつけようとしなかったのか。

現場は新横浜じゃない、ここだ。

役員会で幸い転勤命令は出ませんでしたが、現場を視察したことでこの会社が抱えている大きな問題を見つけることができました。新横浜にいれば、波風立てず美味しい蜜を吸い続けられるのかもしれませんが、ここにいたらトラブルは何も解決しない、このままいったらいずれ会社が無くなってしまう、そう思いました。

 

小倉への転勤はなくなりましたが、社長に工場にしばらく常駐出来るように上申書を出すことにしました。臭いものに蓋をしつづければ嫌なものを見なくて済みそうな気も少しだけしましたが、蓋をしている容器はすでに満タンでいつ吹きこぼれてもおかしくない状態になっている気がしました。

のうのうと新横浜にいたら、自分の望む情報が全く入ってこないので、こちらからお願いという形で転属を申し出た形となりました。

工場を視察しなければ多分もっと気楽に新横浜に戻ることができたのかもしれませんが。これから仮の宿を探すことになるのですが、月の半分を新横浜に、もう半分を工場にとなりそうです。今、現場で何が起きているのか。これをしっかりと自分の目で見て改めて課題を見つけていこうと思います。

 

それでは、今日も素敵な1日になりますように、のだめでした。