コラボばっかりのゲーム、やってて楽しいですか?

おはようございます、のだめです。

 

CMをぼーっとみていたら、ゲームの告知がやっていて、「今度は●●とコラボ!」とか謳うCMがやっていました。私もゲームはそこそこやりますが、CMでコラボがどうだとか言われるゲームをほとんどやりません。ですが、電車の中や、喫茶店なんかでこういったコラボゲームをやっているのをよく見かけます。そういう光景をみつつ、なんかゲームに対する考え方みたいなのがかなり変わってきてるなーと改めて思ったため、記事にしてみようと思いました。

コラボゲームが乱立する理由

今やソーシャルネットワークゲームの有名どころのほとんどがコラボイベントを行なっています。このコラボを行う一番の理由は何と言おうと「儲かる」から。大きな広告費をかけずに大きな効果が期待できるため、どのゲームもどんどんコラボするわけです。ゲームの内容が割と適当なゲームでも有名どころのゲームやアニメなんかととりあえずコラボさえすればある程度収益が見込めるため、コラボイベントをしまくるわけです。

例えば、以前CMでやっていましたが、ドラゴンクエスト(以下ドラクエ)のゲームとマクドナルドがコラボイベントです。ドラクエのゲームをやって指定されたクエストをクリアするとマクドナルドのハンバーグが1個もらえちゃうとか、たしかそんなイベントでした。ドラクエを知らない人はいるかもしれませんが、マクドナルドを知らない日本人は恐らくほぼいないと思います。(たまたまCMで見かけた記憶があるため例にしていますが、ゲーム自体は一切やっていないので、ドラクエが適当なゲームだとかはいうつもりは全くありません。あくまで個人的な意見です)

コラボをすることでのメリット

では、ドラクエのゲームを運営している企業にとって、マクドナルドとコラボすることで得られるメリットとはどんなものがあるでしょうか。

  • 宣伝効果が期待できる
  • 誰もが知っているネームバリューによるCM効果
  • コラボイベントの実施により新規ユーザーの発掘
  • 既存ユーザーに対していつもとは違った世界観の提供

大きく挙げるとこんな感じでしょうか。もう少し詳しく説明すると、コラボイベントを行うことで、ドラクエユーザーだけではなくてマクドナルドの利用客への宣伝をすることが出来ます。

マクドナルドという誰もが知っているネームバリューを使うことで、これまでドラクエをやらなかった客層に対して、「ハンバーガー無料でもらえるならゲームやってみるか」と思わせることによる効果は大いに期待出来ます。

既存のドラクエユーザーが、指定クエストをクリアしてマクドナルドにハンバーガーをもらいにいく数と、マクドナルドを知っているユーザーがコラボイベントを知ったことで新たにドラクエをはじめて、改めてマクドナルドにやってくる数、どちらが多いかといえば認知度の大きさから比べてもマクドナルドに軍配は上がるでしょう。

ということは、マクドナルドとコラボイベントをすることで発掘出来る効果というのはドラクエにとってもマクドナルドにとっても双方にメリットがあるのでコラボイベント自体が成立することになります。

また、ドラクエの企業側にとって、ドラクエのゲームを知らなかったユーザーの掘り起こしによりイベント後もゲームを継続してくれる可能性があるため、ユーザー数が増えればのちの課金層としての期待も出来るという次第です。

ソーシャルネットワークゲームがコラボイベントを実施することで、ほぼ100%のゲームがイベントと合わせてガチャも同時開催します。ゲーム側にとって、ガチャを含む課金層は、大切な収入源なのでユーザー数が増えればそれだけ課金してくれる客層が見込めるわけです。

マクドナルドは知っているけれど、特に興味がない人も中にはいるかもしれませんが、そういった客層に対しても普段とは違うイベントを行うことで、いつもとは違った世界観やゲーム感を提供出来るのである程度の効果は期待出来るわけです。

 

では、マクドナルド側にとってのメリットはなんでしょうか。

ドラクエを例にとって考えると、恐らくですがコラボイベントの実施を持ちかけたのはゲーム側だと思われます。認知度がはるかに高いマクドナルド側からの提案でゲームの宣伝をします、というのは考えにくいためです。

となると、マクドナルドという誰でも知っているネームバリューを利用するためにゲーム側から協賛金のようなものはある可能性は高いです。

マクドナルドの名前使ってもいいよ。だけど使用料払ってねというわけです。もしくはCMなどにかかるコストは全てゲーム側で払ってねという約束があったかもしれません。

認知度がはるかに高いマクドナルドにとっては大きなコストをかけずに、新たな客層い対して宣伝が出来ることになります。SNSを利用した宣伝が主流になりつつある現在ですが、それでもCMを使うということは、マクドナルドにとってはSNSだけの告知よりもCMからの効果が大きいと踏んだ可能性があります。

以上のように、ゲーム開発側とマクドナルドという大きなネームバリュー提供側の双方にとって大きなメリットがあると見込んだからこそコラボイベントが実施されたのでしょう。

ドラクエというある程度認知度が高いゲームではなくて、それこそ一部のマニアの間だけで人気のあるゲームがマクドナルドとコラボしようとしたとしても、恐らくマクドナルド側からお断りされているでしょう。一部のコアな客層だけを取り込んでもそれに見合うだけの効果が期待出来ないためです。

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コラボイベントがなくならない理由

あらためてコラボイベントがなくならない理由を言うと、ずばり「儲かるから」です。コラボをお願いする側と実施する側にとって双方のメリットが一致すればコラボイベントは成立すると言えるでしょう。

ゲーム開始からある程度続いているゲームについては既に一定のユーザーがいることから、継続して収益を得られる計画があるうちは儲けられるだけ儲けようと言うことで頻繁にコラボイベントが実施される可能性は高いと言えると思います。

コラボをすれば「儲かる」わけですから、コラボしない理由は見つかりません。

逆に考えると、今まで頻繁にコラボイベントを行ってきたゲームが、よくわからないゲームとコラボをするようになってきたり、コラボイベントの頻度が落ちてきたりする原因として考えられるのは、それはすなわち収益が落ちてきているので、コラボしても採算が取れなくなってきているといったことが考えられます。

頻繁にコラボイベントを行なったことで既存ユーザーがゲームに飽きてしまったり、似たようなゲームの乱立から他のゲームに移行したりし始めたとも考えられます。

ですので、コラボイベントの頻度は、そのゲームの直近の継続率を表しているともいえるかもしれません。

ゲームの作り込み自体が希薄化している

コラボイベントをすれば収益が見込める、つまり「儲かって」しまうため、ゲーム自体を深く作り込まなくても、有名の絵師さんを起用したりするなどでカバーしていることは大いに考えられます。

今から数十年前、まだ私が学生だった頃に人気のあったゲームにファイナルファンタジードラゴンクエストがありました。この2つは現在はひとつの会社になっていますが、当時は別々のゲーム会社でした。

ドラゴンクエストⅢが社会現象になり、学校を休んで買いに行くほど熱狂した時期があり問題にもなりました。ドラクエ狩り(※ドラクエを買った人に因縁をつけてドラクエを巻き上げる人たちの問題)なんかも実際にありました。社会全体を巻き込むほど人気が出た当時のドラクエは、細部にまでこだわって作り込まれたゲーム性や世界観がユーザーを虜にしたわけです。

同じ時期にはまったファイナルファンタジーも同じくゲームを細部にまでこだわった世界観や他のゲームにはなかったゲームシステム、音楽の作り込みなど、今のガチャやコラボイベントで儲けるゲーム性ではありませんでした。

やりこめばやりこむだけ楽しさが広がっていたゲーム性がユーザーを楽しませてくれました。ユーザーに受け入れられたゲームは、次々と続編が発売されていき、ドラクエファイナルファンタジーも15ほどの長編シリーズとなりました。

どのシリーズを取ってもひとつひとつが精巧に作り込まれたゲーム性だったために飽きられることなく次々とシリーズ化されたのだと思います。

このような開発に数年間を要し、細部にまでこだわり抜いたゲームを作るゲーム市場は、スマートホン等に移植されるにしたがってどんどん希薄化していきました。

完成形として発売しなくても、アップデートという形をとることで開発途中のような内容でもリリース出来るようになったことが理由として考えられます。

利益なくして継続なし

このように完成形としてリリースしなくてもユーザーに提供しつつアップデートという形で徐々に完成形に近づけていくというのは、ある種利益を計算しつつ運営していくには必要なことかもしれません。

どれだけ精巧に作り込んでもユーザーに受け入れられなければ、残るのは負債だけですから。それなら中途半端だけど、出来上がってるところだけユーザーに提供し、その段階の反応を見てから運営を継続するかを検討するというのは、理にかなっているのかもしれません。

ソーシャルネットワークゲームの多くはそういった一面を持ち合わせながら運営をしているのかもしれません。その中で最大限の利益を追求するには、課金層の取り込みが何より大事なので、ガチャやコラボイベントに重きを置いて、ゲーム性はそこそこでも良いとなっているのかもしれません。

特に大型ゲームや目玉のゲームなんかはリリースの始めから既にコラボイベントやガチャが大量に回せるなどのイベントをすることでユーザー獲得を行なっています。ゲームの内容ではなく、一番重要視しているのは、ユーザーの利用開始率です。ゲームをはじめてもらえなければ、「儲か」らないので内容を詰めるのではなくてイベントで集客を図っています。利益なくして継続はないのです。

アプリはリリース後1週間が勝負

ゲームがリリースされてからある程度時間が経つとユーザーは減っていくというのは、統計としてデータも残っているのである程度信ぴょう性は高いと言えます。2015年の統計ですが、アプリマーケティング研究所さんの記事で次のように書かれていました。

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ほぼすべてのカテゴリにおいて、ダウンロードから1週間後には、大体80%〜90%のユーザーは、アプリを起動しなくなってしまう(アプリの継続率2015より一部抜粋)

スマホのゲーム市場で、ある程度の期間続いているゲームはリリースされたゲームの1週間を耐え抜いたコアなユーザーの中の課金層がある程度定着しているゲームが、運営を継続させているとも言えるかもしれません。

ゲーム運営側からしたらその10%がいなくなれば「儲からない」わけですから、そのコアなユーザーに対して興味のあるコラボイベントを頻発したりガチャを提供したりするわけです。ゲームの作り込みなんてのはもう二の次かもしれません。

まとめ

現在私はゲームはパズルゲームくらいしかしないですし、コラボイベントやガチャを回したりもしないので、コラボイベントやガチャが楽しくてしょうがない人にとってはどうでも良い内容かもしれません。

昔に比べて簡単に色々なゲームが大変身近なものになった分、内容を突き詰めなくてもカードが綺麗だとか好きな絵師が描いているからとかの理由でガチャを回したりコラボイベントを楽しむ人がいても良いと思います。

ですが、そういったゲームが数年後も続いているかと言えばその可能性は限りなく低いと思うのです。ドラクエファイナルファンタジーをやりこんだ世代にとっては、10年経ってもそのゲームについて盛り上がることは考えられますが、内容の薄いゲームを10年後に思い出せるかは自信ありません。

そういうことを思うと、コラボイベントに依存する今のゲームってどうなんだろう、ゲームを楽しんでいるのか、ガチャやコラボイベントを楽しんでいるのか分からなくなるなぁと考えさせられたのでした。

 

そんなこと考えなくても、楽しければ良いじゃない!と思えることがいちばんいいのかもしれませんね。

 

ちょっとそんなことを思ったのでした。それでは、今日も素敵な1日になりますように、のだめでした。