すき家のすきパスは果たして本当にトクなのか?
おはようございます、のだめです。
私がよく利用しているすき家でクーポンキャンペーン「すきパス」が10月1日より開始となりました。
はじめに200円支払ってすきパスを購入すると期間中(10月中)70円引きになるというものです。
少し前に宣伝していた吉野家とはなまるうどんの定期券と同じやつです。
200円払って1回の食事が毎回70円引きになるということは、3回行けば元が取れるので頻繁に利用する人にとってはお得なことは間違いなさそうです。
3回使って元がとれる大盤振る舞いなのでさっそく私も購入してしまったのですが、購入後にちょっとすきパスについて考えてみました。
こちらが購入したすきパス。厚紙に両面印刷という作りとなっていますがカードサイズなので小銭入れにちょうど収まる大きさです。
すきパスを利用する客側のメリット・デメリット
メリット
- すきパスを使用すると毎回70円の値引きが受けられます。
- 10月限定となりますが、3回で元が取れるため頻繁に通う人にはお得
- 持ち帰りでも使用可能
- 自分以外に家族や友人の分も適用
- どの店舗でも使用可能
デメリット
- すきパス購入に200円かかる
- 定食ものは対象外
- 牛皿単品、うなぎ単品などのサイドメニューは対象外
- 他のサービス券との併用不可
以上のようにメリット・デメリットを挙げてみました。
対応商品が牛丼・うな丼・カレーに限定されているのがネックに感じる人はいるかもしれません。定食派は使えないということになります。
どの店舗でも使えるというのは地味に嬉しいポイント。
そして、自分以外にも適用というのも嬉しいポイントと言えそうです。
それでは、逆にすき家の店側にとってのメリット・デメリットというのはどんなものが考えられるのでしょうか?自分なりに考えてみました。
すき家側のメリット・デメリット
メリット
- クーポン販売時に一定の収益が見込める
- お得感から新規層を取り込める可能性
- 客のリピート率が増加が見込める
デメリット
- 対応品だけ頼む層が増加する可能性
- 新規層以外の常連客もクーポンを使うことになる
- 会計時確認等のスタッフの手間が増える
- クーポンを出さないと客が来ない悪循環に陥る可能性
- クーポン販売で収益は上がるが負債
ざっと考えて以上のことが頭に浮かびました。
それぞれについて、もう少し掘り下げてみようと思います。
メリット1:クーポン販売時に一定の収益
クーポンを200円で販売することになるので、購入者が増加すればするほど販売時点での収益が見込めるということになります。
全国でどのくらいすきパスを販売するのかは不明ですが、仮に100万枚販売したとして、それらが完売したとすると、クーポン販売で2億の収益となります。
一時的とはいえ2億の収益があれば、いろいろと使い道はありそうです。
メリット2:新規層が取り込める可能性
普段すき家を利用しない客層に対してお得感を出すことによって新規層を取り込むことが出来る可能性があります。
特にすき家では家族で利用するCMを多用していることから、新規利用客層をこのようなファミリー層に向けたとすれば、1家族(4人家族と仮定)が来店すれば4人の新規が増えることになります。
世の中のお父様方の財布をいたわる戦略と考えると、ファミリー向けすきパス戦略はあながち間違ってはいないかもしれません。
メリット3:リピート率増加が見込める
3回使うと元が取れるということは、購入した客は最低3回は店に足を運ぶことになります。
お店に来ればサラダなどのサイドメニューも頼むでしょうし、対象商品以外の注文が増えれば売り上げ増加も見込めることになります。
デメリット1:サービス対象品だけを注文する客層の増加
逆にデメリットとしては、サービス対象商品だけしか注文しない客層が増えた場合が考えられますが、通常よりも70円安く提供することになるわけで、利益が減るということになります。
一見するとデメリットに感じますが、仮に対象品しか頼まなくても1回の利益は70円減りますが0になるわけではないので、利益の幅が小さくなるという点でデメリットとしました。
デメリット2:常連客もクーポンを使用することで利益幅縮小に
日頃から利用している客層も一定数いるわけで、その客層はおそらくクーポンがあってもなくても今後も一定の利用は見込める層と言えると思います。
店側にとっては、来店があれば利益が取れますがデメリット1と同じように利益の幅を小さくするという点でデメリットとします。
ファミリー層などの新規層を狙った戦略としては面白いですが、常連化している客層についても利益幅が小さくなるのは結構痛手だと思います。
デメリット3:会計時の店側の手間が増加
現在、すき家の従業員体制(自分の通うところ数店舗に限られるかもしれませんが)は日本人の社員?と外国人スタッフというシフトがかなり多いです。
時間帯によっては日本人の社員1人と外国人スタッフ3人で回している日などもあります。
クーポンを発行することでの会計時のシステムの変更に果たしてどのくらいのスタッフが対応出来るかという問題があると思います。
すきパスは使わないけど、他のクーポンを使う人もいるでしょうし、すきパスを使う客層、通常の会計とそれぞれの手順を理解した上での会計オペレーションをするために店舗側でのトレーニングが必要になることも考えられます。
そういった面でコストがかかることも考えられそうです。
デメリット4:イベント終了後利用客が減る可能性
クーポンはお得ということが浸透した頃に、期限が終わります。
イベント終了後に期間中と同じだけの利用客数を見込めるかどうかは未知数である、といえるかもしれません。
イベント終了後に、利用客が減ったことで、さらにまたクーポンイベント開始となると利益幅を小さくしたままの営業を強いられることになるのでその分コストが増加することにもなりかねません。
デメリット5:クーポンは資産ではなく負債
メリット1でクーポン販売時に一定の収益が見込めると書きましたが、一般的にクーポン券は負債扱いです。
クーポン券を発売したことにより、後日安く提供しなくてはならないからです。
牛丼が売れれば売れるほど利益は出るのでしょうが、仮に大盛況で牛丼が足りなくなってしまった時に、期間途中でイベントを終了することが出来なくなります。
販売ではなくて、アプリの提示などであれば「想定外の事態」が起きた時はイベントを中止できますが、クーポン券を商品として販売している以上、イベント終了まで継続させる義務が生じると考えます。
それを見越しての1ヶ月限定なのかもしれませんが、一時的な利益が見込めると同時にリスクも背負うことにもなる。
まとめ
以上のように、お客さんとしてクーポンを使用した時のメリット・デメリット、そして店側にとってのメリット・デメリットについて考えてみました。
私たち利用する側にとっては、美味しい料理をリーズナブルに利用出来るクーポンは大変便利なものだと感じています。
また、お店側もデメリットについては企業努力によりしっかりと対応してくれるでしょうから、実際はここまで不安になる必要はないのかもしれません。
ですので、「すきパスは利用するだけトク!」ということで今日は締めたいと思います。
それでは、今日も素敵な1日になりますように、のだめでした。