条件付きで緩和された原産地表示 私は疑いの目ではなく、感謝しつつ商品を買いたい

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こんにちは、のだめです。ワイドショーなどでは新型コロナウィルスに関したニュースばかりが目立ち、それ以外のニュースがあまり注目はされていない中、4月10日に衛藤晟一消費者行政担当大臣が記者会見で次のように述べたと日経新聞が報じています。

加工食品の方法に表示された産地の原材料が不足し、事業者が止むを得ず別の産地の原材料を使った場合、表示を切り替えなくても販売を認める方針を明らかにした。新型コロナウィルス感染症の影響を考慮した 緩和措置。店頭やウェブサイトで消費者に周知することを条件とする。(日本経済新聞 4月11日 夕刊 社会2より一部引用)

なぜこのような措置が取られたかというと、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、事業者が加工品表示の改定作業まで手が回らないことを原因に、食品の生産や流通に影響が出る恐れがあるとして、これを回避するために今回の緩和措置を設けた、ということです。

これは現在国内で流通しているすべての加工食品(輸入品を除く)その加工食品の重量割合で1位となる原材料については産地を表示しなければならない、ということです。

平成29年9月1日に食品表示法に基づく食品表示基準が改定され、すべての加工食品の表示方法が変わりました。

現在、この原産地表示は次のように定められています。

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上記画像にも記載がありますが、重量割合が1位の原材料に関しては産地の記載が求められています。

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以上2つの原則より、加工食品の原材料で最も使われている食材については産地を記載してねということです。

これが今回の新型コロナウィルスの感染拡大により、一部の加工食品は原材料の調達が出来ずに、表示されている産地の食材が手に入らない事態が起きつつあるわけです。今後さらに原材料の調達が不安定になることは十分考えられますが、今後、現在使っている産地以外の材料を使わざるを得ないこともあり、その都度加工食品に貼るラベルを作り直していたら流通が大きく遅延する元になる、そう懸念されたため「産地が異なってもラベルそのままでいいよ」という緩和措置を出した、というわけです。

かなりざっくりとした説明になりましたが、概ねこんな感じなわけです。

数多くの販売店が営業自粛を要求される中で、ドラッグストアや食料品などを販売するスーパーは営業が許可されています。こうしたスーパーなどに加工食品を配送することで、各地の食品スーパーなどでは豊富な加工食品等を販売し続けられているわけです。

ですから、これまで使用していた原材料が手に入らないことで加工食品の製造過程で余計な手間がかかり製品化に時間がかかると、スーパーに加工食品が届けられるまでにはこれまでより時間がかかるわけで、最悪配送地域によっては加工食品が届けられないことも考えられるわけです。こうしたトラブルを最小限に抑えるためにも、早めの緩和措置は必要だったと言えるのかもしれません。

都合良く捉えてはいけない今回の緩和措置

今回4月10日に報じられた緩和措置ですが、実は消費者庁は3月に動いておりました。

消費者庁は3月、感染症の拡大で中国産タマネギやニンニクなどの原材料が不足したことを受け、中国産を使用していた加工食品に限り同様の対応を認めた。(日本経済新聞 4月11日 夕刊 社会2より一部引用)

すでに3月には感染拡大を危惧して緩和措置が取られていましたが、今回はそれを拡大した措置ということですね。

この原産地表示の緩和措置で考えられるのが、産地偽装です。原産地表示の変更をせずに原材料が変わってしまっても市場に出回るのが優先だから今回はしょうがないよね、というこの緩和措置を悪用することで容易に産地を偽装することが可能になったとも言えます。何せ今回は、国が産地表示を変えなくてもいいよという措置を出しているので、不正を働こうとする会社も出てくる恐れがあります。

当然ながら、虚偽の表示は取り締まられます。が、休業要請や営業自粛のあおりをうけてなりふりかまっていられない会社というのも、もしかしたらいるかもしれません。

食品偽装といえば

この食品偽装ですが、過去に起こった事件で私の記憶に大きく残っているのは次の2つです。

食肉に期限切れの食パンを混ぜたり牛肉と偽って豚肉を使ってみたり、使ってはいけない部位もまぜまぜしてカサ増ししたりとやりたい放題だったミートホープ事件ですが、こうした食品偽装はいずれ必ず暴かれます。真実がばれたときの社会的信用が地に落ちることを考えれば、あえてリスクを取ってまで偽装しようとはならないとは思うのですが、なりふりかまっていられない、営業資金として日々の小銭をもとめるばかりに偽装に手を染めてしまうというのは考えられるシチュエーションです。ですが、SNSやネットが私たちの生活の中に入り込んでいる現在では偽装や隠し事は非常に難しくなってきています。

こんなときだからこそ「安心」して買い物ができるように

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現在、食品販売のスーパーやドラッグストアは営業を許されています。コロナの影響で営業自粛が広まる中で営業してくれるスーパーに感謝しつつ、そこで働いてくれているスタッフさん、はたまたこうした食品スーパーに商品を届けてくださるドライバーさん、普段だったらスーパーに買い物に出かけて、手にした商品の裏には多くの人たちが関わっていることなど普段だったら微塵にも思わないだろうなと思うわけです。ですが、当然のように目の前にある商品は最前線で働く人たちがいるからこそ、私たちは自分の手にすることができるわけです。こういうときだからこそ、買い物に出かけた際に、そうした方々に感謝して商品を購入したいと思います。決して「これは偽装されていないよな?どうだろう?」そんな疑心暗鬼になっての買い物はしたくないな、と思うのです。

疑いの目ではなく、感謝の気持ちをもって買い物へ

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不要不急の外出が求められる中で、食べるためにスーパーを利用するのはある程度しょうがないと思います。けれどストレス発散の場にスーパーやドラッグストアを選ばず、最低限の接触を心がけたいと思います。また、『スーパーに行けば食料がある』というのが決して当たり前ではなく、コロナが蔓延する中で最前線で配送してくれるドライバーや現場の人たちがいることをあらためて実感して買い物をしたいと思います。そうした中で食品偽装が起こらないことを祈りつつ、今後も感謝の気持ちを持って買い物したいと思います。のだめでした。