「CM」から「ブランディング・ムービー」へ

こんにちは、のだめです。

昨日は出張で宇都宮にいたのですが、今朝新幹線の乗り継ぎで大阪に向かっているところです。さすがに電車で4時間半の移動はかなり苦行です。どこでもドアが欲しいです、ホント。流石に6日間連続で外泊だと体が疲れますね。といっても現地の会社で挨拶回りしたあとは食べ歩きしたり、わりとのんびりしているはずなのですが•••汗

 

さて今日は、テレビのCMについての話題。

ブランディング・ムービーという言葉をご存知でしょうか。一般的にテレビで放送されるCMは15秒か30秒がメインですよね。ブランディング・ムービーというのは、CMよりは長く、映画よりは短い、ショートムービーに近い感じの映像になります。

これまでのCMでは、企業ブランドの周知を前面に押し出したようなものが主流でした。

有名タレントや俳優、女優さんなどが企業の商品の紹介をする、といった感じ

企業イメージは、CMに出演する人によってイメージが形成されやすいので、イメージに近い俳優や女優を起用してCMを流す、というのがこれまで一般的でした。

このようなCMとは異なり、ブランディング・ムービーは、企業名の周知よりも、映像にしっかりとしたストーリーを含ませて、その映像を見ている人が共感できるような作りになっています。

 

ニュースで放送されていた映像がこちら。

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早稲田アカデミーという塾のCM。

映像を見るとわかりますが、CM自体にしっかりとストーリーが出来上がっています。

映像だけをみたら、なんのCMか分からないのですが、最後まで見ると 

本気になったら、世界だって変えられる。

                  早稲田アカデミー

 と一瞬だけ表示されます。

ストーリーが母親の目線と子供の目線の両方から向けられていて、最後まで思わず見入ってしまいました。

泣ける映像かは見る人次第ですが、私は見終わったとき思わず涙が出てしまいそうになりました。

 

最後までCMを見ると、早稲田アカデミーと字幕が出るので、なんのCMか分かるのですが、映像に引き込まれているので、しっかりと印象に残りました。

このように一見すると、CMと企業の結びつきがあるのか分からないのですが、最後まで見ると、「あぁ、そういうことか」と分かる。

たしかにこれは共感出来るな、と思いました。

 

次のCMがこちら。

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こちらは、東芝のLED電球のCM。

映像では、カーテン越しにある家庭の日常風景が映し出されます。

ナレーションはありませんが、映像の下部に日数が表示されています。

映像を見ていると、日数が増えていくごとに、カーテン越しに映る家族の物語が映し出されます。

初めて見たときは、生命保険とかのCMかと思いましたが、最後までCMを見るとナレーションがついて、字幕にこう表示されます。 

同じあかりの下で

   幸せな日々は続いていく。 

 そして、最後にLEDは東芝と表示されます。

 

ニュースではこれまで、ブランディング・ムービーと呼ばれるCMが無かったのかというとそういうわけではなくて、たとえば今から8年前にも似たようなものがあり、以下のCMが流されました。

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受験生を思う母親からのメッセージを込めたショートストーリー仕立てになっています。

早稲田アカデミー東芝の映像に比べると若干キットカットの方が商品のイメージ色が強いですよね。商品をストーリーの中で引き出している感じです。

ニュースでは、最後にCMからブランディング・ムービーに変わってきた背景として、

これまでは、企業(=ブランド名)をまず知ってもらう戦略だった。企業(=ブランド名)を視聴者に刷り込んでいくことで、商品を販促に繋げる考え方でしたが、近年流行り始めているブランディング・ムービーを流すことで、ストーリーに視聴者をまず、引き込む。

そして、最後にひとこと、企業名を表示することで、ストーリーで感じるイメージが企業のイメージにつながっていく、という考え方にシフトしているとまとめています。

映像のイメージがそのまま企業のイメージとして視聴者に刷り込みがされていく

 

普通のCMでも気になるものはいくつもありますが、この映像戦略の持つ可能性は計り知れないと思いました。

実際に、私はすっかりとひとつひとつのストーリーに引き込まれ、企業名も一瞬しか表示されていないのに、頭に刷り込まれましたからね。

 

最後に、海外のCMでもブランディング・ムービーがあるので良い機会なのでご紹介しておきます。

 

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こちらはタイで放送されたCMです。

私は見終わったとき、自然に涙が出ていたCMです。

「泣ける CM   タイ」

で検索するとまっさきに出てくるので、ご存知の方もいるかもしれません。

こちらも、生命保険のCMかと思いきや、true moveという会社はプリペイドsimなどを扱っている会社になります。

 

そして、こちらのCM。

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耳の聞こえない少女がバイオリンを弾いてコンサートで賞をとるまでを描いた映像です。こちらも最後の最後まで企業名が全く出てこないので何のCMか分かりませんが

最後にパンテーン(映像ではタイ語表記)と表示され、

あなたの中に隠れている

     素晴らしい輝きを 

と出ることで、シャンプーのCMだったことが分かります。

こちらの映像も、ストーリーに完全に引き込まれてしまって、最後まで見たときは感動で涙が溢れていました。 

今回ご紹介した最後の2つは、あまりにも有名な映像なので見たことある方もたくさんいらっしゃるかと思います。

 

世界を見渡せば、このようなブランディング・ムービーはたくさんあるのですが、ようやく日本も取り入れ始めた、ということでしょうか。

企業(=ブランド名)よりも、ストーリーで見る人を引き込み、記憶に留めるこの戦略はこれからもっと日本の企業CMでも見れるようになってくると思います。

 

それでは、今日はこのへんで。

今日も素敵な1日になりますように、のだめでした。