相手のことも考える。

3月に、会社の上司と、取引先への会社訪問に行ったことがありました。

そのとき、上司にこれから行く会社は何時にアポイントとってるんですか?と尋ねたところ、「うちの会社訪問は不意打ちが基本だから、アポイントはとらないんだよ」と上司に言われました。ぶっこんでなんぼだからって。

 

ふーん、そういう会社もあるんですね~って軽く流してしまったのですが、相手の都合を考えず、いくら付き合いのある取引先とはいっても、不意打ちで訪ねて行っても担当の方に会うことができる保証はないですよね。とても非効率的だし、マナー違反なのでは…とも思ったのですが、その時は言いませんでした。

 

取引先6社ほど不意打ちで訪問したところ、実際に担当者に会って話が出来たのは半分の3社。残りは名刺を渡して帰社することに。

 

ちなみにその上司は、今の事務所には常駐していないので、新幹線に揺られて片道5時間かけてやってきての不意打ち会社訪問。

 

もし全社まわって誰にも会えなかったらどうしていたのだろうか、片道5時間てことは往復10時間なわけで、ほぼ丸一日無駄にすることになります。自分だったらそんなやりかたは無駄だと思うし、相手にも失礼なのではないかと思うのでやらない営業だと思う。

 

全く付き合いのない会社であれば、飛び込み営業はむしろ基本なのかもしれませんが。

 

そんなわけで、自分が取引先への会社訪問の際は、同じ轍を踏まないようにしようと思っていました。

 

そんな矢先に先日訪問した会社に再度訪問に行く機会が出来たので、先日のことを踏まえて、あらかじめ先方に連絡してみました。

 

「お世話になっております。〇〇会社ののだめです。◇◇様のご都合のよろしいときにお伺いしたいと思っているのですが…」

 

のような感じで、相手に連絡したところ

 

『えええ!御社がアポイントとってきたの初めてですよ!いつも不意打ち訪問だから、なにかあったんですか!?」

 

と、ものすごくびっくりされました。

 

「いえいえ、◇◇様のご都合も考えず突然訪問するなんて、申し訳ないです。私が訪問する際は必ずアポイントを取らせて頂きます。」

 

のようなやりとりをして、当日。

 

先日訪問したにもかかわらず、前回とは違ってとても丁寧な対応をしていただきました。

 

人が相手ですから、自分の都合で営業をしてもあまりいいことはないような気がします。

 

そして、たいした営業の話もせず、世間話をしつつ小一時間ほどお話をさせてもらいました。

 

ちょうど相手の会社も終業時間がせまってるということで、

 

「良かったら、このあと一緒に食事にでもいきませんか?」

 

とお誘いしたところ、アポイント効果があったのか、私の印象が良かったのか、快く快諾してもらいました。

 

食事に行くのは予定はしてなかったのですが、想定はしていたので、あらかじめ予約を入れてありました。ダメだったら他の人連れて行こうと思っていたので。OKです。

 

「あ、いちおう〇〇の予約をとってありますので、どうですか?」

「ええ!?居酒屋じゃないんですか!?」

「いえいえ、これからも何かとお世話になることあると思いますので、ぜひこちらこそよろしくお願いします。」

 

というわけで、ホテルの最上階の展望レストランで夕食を。ダメだったら他の人とという保険をかけておけるだけの満足のいく味とお値段でした。

 

今、自分の仕事がなんなのかがはっきりとわかっていない状態の中で、取引相手にこの業界について教えを乞うというのは普通のやり方ではないのですが、今後自分が仕事をもっと覚えていったときに、仕事の話が出来るようになったとき、今やっていることが活きてくれば良いかな、という結構軽い感じでしたが、出費のわりに得るものは結構大きいものになりました。

 

「アポイントの件もそうですけど、食事もこんなところをセッティングしてもらって・・・御社で何かあったんですか?」

 

と心配されてしまいましたが。

 

業界の分からないことや疑問をいろいろ聞けて少しずつわかってきたこともあり、相手も楽しんでもらえたと思います。

 

あとは、私が下戸でなければ、「もう一軒、こんどは女性のいるところにでも」と更なるお誘いもかけられたのでしょうが、こればっかりはしょうがありません。飲めない口なので。頑張っても飲めません。

 

結局、最後の見送りまでしっかりと行って挨拶メールを送り、会社訪問は終了となりました。

 

こんな対応を毎回やっていたら正直お金が続かないので、無理でしょうけど、いちおう相手の担当者には自分のイメージを植え付けることはできたと思います。

 

接待なんて、コンプライアンスがどうとかで誘ってもお断りされることのほうが多い時代ですから、むしろ今までの会社方針があったからこそ、このやり方はインパクトがあり相手も受け入れてくれたのかもしれません(笑)